新型出生前診断

血液検査で胎児染色体異常がわかる

 妊婦から採血した血液で、ダウン症などの胎児染色体異常がわかる「新型出生前診断」。この名前はマスコミが付けた仮の名前だそうで・・・正確には「母体血細胞フリー胎児遺伝子検査」または「無侵襲的出生前遺伝学的検査」と呼ぶそうです。

 

 母体血中になる胎児の由来遺伝子を調べる事により、性別や胎児の血液型、妊娠高血圧症候群の発症余地までがわかるそうですが、最近では胎児の染色体の異常までもがわかるようになりテレビや新聞でも言われるようになりました。そしてつい先日、限定した施設にて検査を実施するなどとする視診を日本産科婦人科学会より公表されました。

 

 この新型出生前診断、いかがなものでしょうか・・・血液検査のみでわかってしまうのならどこの病院でも受けられそうですよね・・・この検査が普及するとダウン症児の出生の排除や生命の否定につながりかねませんので十分な認識の下での検査が求められます。高齢妊娠や、染色体異常のある子供を妊娠したことのある方が検査の対象となっています。

 

 新型出生前診断は妊娠10週頃に行い、約2週間で結果が出ます。その後陰性なら妊娠継続となりますが、陽性の場合はその後15週前後に羊水の検査を行います。そして2〜3週間後(妊娠17〜18週後)、陽性だった場合は妊娠を継続するかどうかの判断となるのです。

 

 羊水検査で陽性となったからと言って人工妊娠中絶は認められませんが、「母体の健康を害する」等と言う理由で中絶するケースが多く、決断は妊婦に委ねられています。

 

 私はこの羊水検査を受けませんでした。当時36歳。初産でこの年齢ですと高齢出産となるので受けるべきなのかもしれませんが、羊水検査後流産の可能性もありますし、まずは「結果が陽性だったとしたら?」と単純に考えてみたところ、「でも産むよなぁ・・・」と思ったのです。私のように楽観的に考える方ばかりではありません。色々な事情によりどうしても・・・と言う方がほとんどだと思います。

 

 今後技術の進歩により、血液検査のみでもっと色々な疾患が出生前にわかる可能性がありますし、どの疾患なら検査をすべきなのかのラインも難しくなります。泣く泣く中絶を選ぶしかなかった妊婦はずっと大きな傷を抱えて生きていく事になりますし、心のケアも重要です。

 

 そしてこの新型出生前診断・・・保険適用外で費用は20万前後で高額です。実施する医療施設は「北海道病院」「国立成育医療研究センター(東京)」「昭和大病院(東京)」「東京女子医大病院」「名古屋市立大病院」「大阪大病院」「長崎大病院」の7つの施設です。他の医療施設は計画を明らかにはしていません。

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