腹腔鏡検査・手術をすすめられたら

検査後は妊娠率がアップ!

 医療技術の進歩とともに、日進月歩で進む腹腔鏡下手術の技術開発(腹腔鏡検査の詳細はコチラ)。原因不明の不妊期間が長期にわたっている、卵管検査で異常があった、子宮内膜症などの不妊原因につながる原因がある方は必見です。できるだけ自然な形で妊娠を望むのであれば是非受けたい検査です。

 

 腹腔鏡下手術は開腹手術と違い、体への負担や術後の癒着も少なく安全で効果の高いものと評価されています。不妊治療でも腹腔鏡下手術が広く注目されています。

 

 腹腔鏡検査を受けた人の6割に見つかる子宮内膜症。子宮内膜症があると、お腹の中が癒着しやすくなり、卵管の働きも悪くなったりして不妊の原因となります。腹腔鏡検査ですと、ごく小さな内膜症までくまなく探し、適切な処置を行う事が出来るのです。以前は薬物療法のあと、効果がなければ手術をしていた子宮内膜症ですが、今は検査とともに腹腔鏡下で治療をするように変わりました。

 

 子宮筋腫の場合は、筋腫の症状をみながら必要に応じて腹腔鏡下手術を行います。子宮筋腫があっても、妊娠する事が可能です。特に症状が見られなければ、経過観察をしつつ妊娠を目指しますが、受精卵が着床するのを妨げるような状態になっている場合は、子宮筋腫核出術が必要になります。ひどい癒着があって核出術が難しい人には開腹手術に切り替えることが時々あります。

 

 腹腔鏡手術は、開腹手術に比べると費用は高めですが、保険適用も認められていて入院日数も少なくすみます。安全な腹腔鏡手術とは言え、リスクも少しありますきちんと医師から十分な説明を受けて、検査や治療の内容を理解し納得したうえで腹腔鏡検査や手術を受けましょう!

 

 腹腔鏡検査後3〜6ヶ月は妊娠率が上がります。体外受精を行う場合は、手術前に受精卵を凍結し手術後子宮の状態が回復してから胚移植をする方法もあります。

 

 入院や全身麻酔の手術が必要だからと言って何となく怖い腹腔鏡検査ですが、メリットの方が多いと思います。

私の通う杉山産婦人科では・・・

 どの病院も同じかもしれませんが、私の通う杉山産婦人科では一般不妊治療が終わり何も原因がわからなかった「原因不明不妊症」の場合は、不妊の原因がわからなくてもしばらく自然妊娠の可能性を探るか、一般不妊治療以上に掘り下げて本格的な検査を行うかどうか、今後の展望について医師から説明が必ずあります。

 

 しかし、不妊治療期間が1年以上の方や、女性の年齢が35歳以上の方の場合には「腹腔鏡検査」か「体外受精」を勧められます。

 

 腹腔鏡検査とは簡単な手術となるので、一般検査には含まれていません。腹腔内(子宮、卵管、卵巣)の状態を直接観察する方法です。原因不明不妊の多くは卵管の先端(卵管采)の周囲癒着による卵子ピックアップ障害による卵管不妊と言われています。このピックアップ障害は卵管造影検査では判定できない細かい部分です。腹腔鏡ではこれを検査し診断、同時に治療(癒着剥離術)も可能となります。杉山産婦人科では卵管鏡による卵管形成術も2011年5月より導入されています。

 

 そして体外受精は治療と同時に卵子の状態をチェックする究極の検査方法です。卵子自体が悪いのではないか?そもそも受精をしていないのではないか?という事も確認できます。体外受精の場合は腹腔鏡検査よりも妊娠するのが早いです。体外受精は卵管は使用しないので卵管癒着があっても妊娠が可能です。一般的に卵子の状態は年齢とともに老化するので、35歳以上の原因不明不妊症の方は卵子検査を兼ねて体外受精がお勧めです。

 

 年齢だけではなく、不妊の期間、治療歴、ホルモンの値など総合的に見て、最終的には先生とよく相談をし判断します。

 

 腹腔鏡検査の費用は約20万円ほど。そして体外受精は最低でも40万円。腹腔鏡検査をして体外受精となると、ますます費用がかさみます(泣)

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