たくさんある検査
初めて不妊治療を受ける方にとって、不妊症の検査と言うと不安だらけだと思います。病院に行ってから検査内容の多さに驚かないように、最初にチェックしておきましょう。
出来れば、基礎体温表を2〜3カ月分つけてあるととても参考になります。検査の進め方はどこの病院でも大体同じかと思いますが、まずは問診から始まります。触診、基礎体温表、血液・尿によるホルモン検査、排卵期の頚管粘液検査とフーナーテスト、卵管造影検査と様々な検査があります。
検査ごとに月経中の検査もあれば、月経直後、排卵前後・・・と時期もそれぞれ異なります。これらはあくまでも基本なので、さらに詳しい検査や何度か同じ検査を実施する場合もあります。検査で原因がはっきりとすれば、その後の不妊治療も計画的にスムーズに進みます。不妊治療の検査はほとんど保険適用内ですが、保険適用外の検査もあるので事前に確認しておきましょう。
こちらでは、それぞれの検査やその検査によってどのような事がわかるのか詳しく説明してあります。
不妊治療の検査内容記事一覧
ブライダルチェックとは
ブライダルチェックとは、一般的に近い将来に結婚の予定がある人が受ける妊娠や出産を視野に入れた健康診断です。産婦人科での診断が多いです。結婚後、すぐに赤ちゃんが欲しい人や、女性疾患に少しでも不安のある方は、受けておくと今後の家族計画がスムーズに進むと思います。 ブライダルチェックを受けておくと、妊娠しにくいかどうかも早期にわかる事が多いです。会社の定期健診や市区町村の子宮がん検診や乳がん検診を受けている人も多いかと思います。ブライダルチェックを行っているほとんどのクリニックや病院では、検査項目として血液検査(B型・C型肝炎、HIV抗体、梅毒)、超音波検査(子宮と卵巣のチェック)、風疹抗体検査、...
子宮卵管造影検査
卵管がきちんと通っていないと不妊原因のひとつとなります。卵管の通りを調べるのは大切な事で、不妊治療を開始するとまずは子宮卵管造影検査が行われます。 子宮卵管造影検査は、子宮口からチューブを挿入し、造影剤を流しいれ、間隔を開けてレントゲン写真を撮ることで卵管の通り具合や詰まっている部位、子宮内の形状がわかります。 月経終了から排卵前の卵胞期に実施します(生理7日目〜10日目頃)。また、万が一両側卵管閉鎖が見つかった場合の治療方法の選択についても一応検討しておくと良いでしょう。 経験談等から「痛い!」と心配する方がほとんどですが、まずはリラックスすること。あまり過度に緊張すると、子宮卵管も緊張し...
腹腔鏡下検査(ラパロ)
あまり聞きなれない検査かもしれませんが、腹腔鏡下検査(ラパロ)とは内視鏡検査の一種です。お腹に小さい穴を開けて内視鏡カメラを挿入し、腹腔内を詳しく見る為の手術です。早期胃癌や早期大腸癌の手術でも用いられ、もちろん不妊治療においても、卵巣嚢腫や子宮筋腫、子宮癌の手術でも用いられるようになって来ました。 不妊治療においては、超音波検査等で明らかに子宮筋腫や内膜症、卵巣嚢腫がある場合は腹腔鏡下検査をしますが、原因不明の場合も病院側がすすめる場合もあります。でも無意味にお腹を開ける事は決してありません。 腹腔鏡下検査を行うと卵巣の状態や子宮の内膜の状態がはっきりし、不妊症の原因も明らかになりますので...
腹腔鏡検査・手術をすすめられたら
医療技術の進歩とともに、日進月歩で進む腹腔鏡下手術の技術開発(腹腔鏡検査の詳細はコチラ)。原因不明の不妊期間が長期にわたっている、卵管検査で異常があった、子宮内膜症などの不妊原因につながる原因がある方は必見です。できるだけ自然な形で妊娠を望むのであれば是非受けたい検査です。 腹腔鏡下手術は開腹手術と違い、体への負担や術後の癒着も少なく安全で効果の高いものと評価されています。不妊治療でも腹腔鏡下手術が広く注目されています。 腹腔鏡検査を受けた人の6割に見つかる子宮内膜症。子宮内膜症があると、お腹の中が癒着しやすくなり、卵管の働きも悪くなったりして不妊の原因となります。腹腔鏡検査ですと、ごく小さ...
子宮鏡下検査
子宮鏡下検査とは、子宮内に内視鏡を入れて子宮の中を観察する検査です。言わば胃カメラの子宮版です。内診や超音波検査で子宮筋腫や子宮内膜ポリープが疑われた場合、子宮鏡下検査によって肉眼で確認しながら治療の計画をたてることが出来ます。 検査の時期は医師から指示があるかと思いますが、生理終了直後の事が多いです。病院にもよりますが麻酔はせず、そして子宮頚管の拡張をしないで検査します。痛みもほとんどありません。 子宮鏡下検査で子宮筋腫や子宮内膜ポリープが発見されて不妊治療において切除した方が良いと判断された場合は、子宮鏡下手術となります。開腹手術ではないので、日帰り、もしくは1泊2日で帰宅できるはずです...
フーナーテスト
簡単に言えば、性交後12時間以内に子宮頚管にどれだけ精子がいるか調べる検査で、男性は通院したり精子を採取する必要がありません。不妊症は、女性だけの問題ではなく、男性にも無精子症などもあるので、その為の検査を兼ねる事ができます。 頚管粘液の状態とともに、精子と頚管粘液の相互作用を見ることができ、性交後でも精子が確認できない場合には抗精子抗体の場合も考えられます。子宮粘膜に精子を殺してしまう物質などが含まれている事もあります。 フーナーテストの検査結果が不良でも妊娠している方はたくさんいます。排卵期以外の日にフーナーテストをしても意味がありませんし(排卵期だと頚管粘液が精子を子宮へ入りやすく助け...
血中ホルモン検査
不妊治療を始めるにあたって、血中ホルモン検査はとても重要です。排卵や生理のリズムの異常についてわかるからです。初診の時すぐにその時期にあった検査をするはずです。 排卵日を正確に知るには、基礎体温表が基本ですが、血液中のエストロゲンを測定する事によって、より正確に排卵の時期を知ることが出来ます。また、生理開始2〜3日目には卵胞刺激ホルモンや黄体ホルモンの値を調べて、卵巣機能の低下、排卵障害があるかどうかがわかります。 排卵が終わると黄体期に入ります。そこで黄体ホルモンやエストロゲンの値を調べて、着床するのに障害があるかどうかを調べます。プロラクチンの値を知るのも重要です。TRHと言うホルモンを...
不妊治療で使う薬
不妊治療で使う薬について簡単に説明します。既に通っている方はご存知かと思いますが、生理の時期により様々なお薬が処方されます。それぞれその時期に服用しないと意味のないお薬ばかりですので、間違えないように服用しましょう。 妊娠するには正常に排卵して受精し、その受精卵が無事着床しなければなりません。その間に私たちの体では様々なホルモンの働きが必須です。このバランスが保てないと、正常な排卵が起こらないので、そのホルモンの働きを助けるのに排卵誘発剤が必要となります。 お薬での治療が有効な原因も多くあります。黄体機能不全の場合は、排卵誘発剤により卵黄の発育を促し黄体ホルモンの分泌を促します。また頸管粘液...
AMH検査
最近注目され始めているAMH検査(抗ミュラー管ホルモン測定検査)です。卵巣年齢検査とも言われていて、卵巣に卵子になる卵胞がどれだけ残っているかを調べる検査です。大体月経3日目位に採血をして検査します。いつでも行える検査ですが、月経3日目頃の値が一番低いと言われています。 不妊治療の前にこの検査をしておくと卵巣の反応がわかり排卵誘発の目安となりますので、その後の治療にとても役立ちます。 AMHの数値が高いと卵巣内に卵子がたくさんあると言う事になりますが、卵子の質を示すものではないので、数値が低いからと言って妊娠出来ないわけではありません。逆に多嚢胞性卵巣症候群の方の数値は高く出ます。 この検査...
自宅で自己注射が出来るプレフィルドペン型注入器
不妊治療には欠かせない注射。HCGやhMGと言えば、不妊治療歴の長い方にはすぐピンと来ます。 私も注射だけの為に通院した経験が何度もあります。胚移植後に通ったのはもちろんですが、妊娠判定で陽性が出た時には3週間も1日おきに注射に通いました。私の通っていた病院は、産科も併設されており、夜9時までは受診できましたので残業してそれから注射に通っていました。でもそんな病院ばかりではありません。 ほとんどの働いている方が会社を遅刻や早退をして注射に通っているのが現状です。 そんな注射が自宅で出来るだなんて、ものすごく魅力的ですよね? プレフィルドペン型注入器をご存知ですか?自分でお腹や太腿に筋肉注射を...