射精することができる

無駄のない射精のメカニズム

 妊娠する為に、最初の重要なポイントなるのが射精です。自然妊娠でも、不妊治療でも、射精をして、精子を確保しなければ始まりません。

 

 妊娠や出産は女性が主役となりますが、男性がいなくては、まず妊娠もありえないのです。最初が肝心で、とても重要な役割を持っています。

 

 射精のメカニズムは、わかりにくくてとても複雑ですが、ものすごくよく出来ているのです。射精の時に、精液が通る尿道は通常、尿は弱酸性ですから、弱アルカリ性の中で生きている精子は尿道を通る時に数多く死んでしまう事になります。でも、実際には尿道を通っても、精子は死にません。何故でしょうか?不思議ですが、男性の体には本当に良くできた無駄のない洗練されたメカニズムがあるのです。

 

 精子は精細管で作られます。精細管の中で作られた精子は、精巣上体へと集まり、精管にも流れていきます。精子は毎日絶やすことなく作られているので、射精で体外に出なければ、そのまま吸収されて、知らない間に排出されてしまいます。

 

 そして出来たてホヤホヤの精子は受精能がありません。精巣上体、精管と運ばれていく時に、受精能を持つと言われています。この時同時に、前へ進む能力なども獲得していくのですが、全部の精子がうまく獲得していくわけではないそうです。精液検査の運動率から判るとおり、運動率が100%ではありません。実際には運動していない精子もたくさん含まれます。

 

 精子は、射精までの間、精巣上体や精管で受精能を獲得しながら、その瞬間を待っているのです。

 

 性交などにより性的興奮が高まって、勃起をすると精巣上体や精管付近にいた精子は、分泌液とともに精管膨大部に運ばれていきます。性的興奮が頂点に達すると、大脳から脊髄にある射精中枢に指令が送られて、膀胱の下にある内括約筋が収縮して膀胱からの通路が遮断されます。すごいメカニズムですね…尿道から外への通路も外括約筋によって遮断されるので、そこにできた空間に精液が溜まるのです。このように膀胱側の出口が閉じられる事で精液が膀胱へ流れてしまうこともなく、尿が精液に混ざってしまうなんて事もありえないのです。ここまでが、射精の第一段階です。

 

 そして、第二段階。精液が溜まり、射精の瞬間です。カウパー腺から分泌されるアルカリ性の粘液で、酸性の尿道が中和されます。これで、尿道を通っても酸によって精子が死んでしまう事もなくなります。そして、外括約筋が弛み、充満した精液が内圧によって、陰茎先端部から勢い良く一気に押し出されるのです。これが射精のメカニズムです。

 

 精子は、とても特殊な細胞です。男性の体を離れて、子孫を残す為に女性の体へと渡り重要な役割を果たすのですから…

 

 この一連の流れがうまくいかず、どこかに問題がある場合は、精液検査などで明らかになります。射精が出来て、女性の排卵があり、受精し、着床すれば晴れて妊娠となるのです。

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